ターミナル型の不動産屋ブログ:2017-06-22


7年前にママが、続いて3年前にお兄ちゃんが亡くなった。

それまで自由気ままに
結婚もせず、遊びまわっていたあたくしも、
さすがに一人実家に残った病を抱えた父親を思い、
約20年ぶりに実家に帰った。

ママが健在の頃から、
お酒を浴びるように飲むお兄ちゃんと父母の仲は、
しっくりいかなかった。

そしてママがクモ膜化出血で倒れ、
約2ヶ月の闘病の末亡くなった後は、
父親とお兄ちゃんの関係は修復しがたい程にこじれていった。

ママの死を自分のせいだと自らを責め続けるお兄ちゃんには、
お酒以外に逃げ場が無かったのかもしれない。

酔っては暴言を吐き暴れるお兄ちゃんを、
父親は悲しい目で見ていた。

そんな生活が災いして、お兄ちゃんも亡くなった。
父親は「悲しいけれど、正直ホッとした」とあたくしに言った。

あたくしは、実家に戻りしばらくたってから、
ママが亡くなって以来そのままになっていた、
家の中の片付けを始めた。

そんなある日見付けた手紙の束の中に、
父親からママにあてた手紙があり、
あたくしは父親に内緒でそっと開いてみた。

それはあたくしが生まれて間もなく、
父親が出稼ぎ先から出したものだった。

内容は
「たまにしか会わないので、
息子たちが自分の顔を見て泣きだしたのがショックだった」とか
「早く一緒に暮らしたい」とかたいした内容では無いのだけれど、
家族に対する愛情が溢れていた。

あたくしは涙が止まらなかった。
お兄ちゃんが生きている間に、ひと目見せてやりたかったという気持ちで、
胸が一杯になった。

仏壇の隅に父親の目にふれぬようにそっと手紙を置き、
心の中で
「兄ちゃん、あたくしたちはこんなにも愛されて育ちましたよ」
とそっと呟いた。

そして、父親も昨年亡くなり、
あたくしは本当に一人きりになってしまった。

でもあたくしの前には、3人の写真が有り、
今も3人からの愛情を感じている。

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