良い賃貸物件選びの近道ブログ:2017-04-04


祖母が最初に倒れたのが一昨年の暮れで、
それから二ヶ月とたたないうちに二度目、病名は脳梗塞だった。

医者からは二度目はないといわれていたが、
それでも父母と見舞いに行ったあたしに向けて、
祖母はやつれた顔で微笑んでくれた。

倒れたのは父親方の祖母で、
つまりあたしの父親の母になるわけだが、
当の父親は少しだけ病室に顔を出すと、
すぐにまた廊下に置いてあるソファーに戻ってしまう。

母は少し呆れていたが、
あたしには父親の気持ちが良くわかった。

あたしも本当は
ここには来たくなかったのだ。

祖母は大変元気な人で、
脳梗塞で倒れるまで、毎日畑仕事に精を出していた。

お正月などに顔を出しに行くと、
こっちが困ってしまうくらいの笑顔を向けてくれる。

あたしの中で、
祖母はずっとそういう人だった。

だからこそ、あたしは嫌だった。
やせ細り、言葉を詰まらせ、家族の名前も思い出せない、
そんな祖母を見るのがなんだか申し訳なかった。

それではまるで病人じゃないか。
祖母は病人であってほしくなかったのだ。

あたしは、
居心地の悪さを感じていた。

それを隠すために
あたしはずっと微笑んでいようと決めた。
祖母になにも出来ないあたしは、
それくらいしかできなかった。

祖母はそんなあたしを見ていてくれたのだろう、
帰りがけに一言だけ
「笑顔が素敵な子になったね」
そうあたしに言って笑った。

あたしはただただ申し訳なくて、
やはり微笑むことしかできなかった。

祖母が亡くなった日の23時遅く、
父親は泣いていた。
いつも寡黙で何事にも動じないかのように見えた父親が、
大声で泣いていた。

それをあたしは部屋で聞きながら
人が死ぬということの意味を知り、
そして家族というものを思った。
 

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